移行が難しいスクラム開発

スクラム開発は、アジャイル開発と呼ばれる手法の一つに分類されます。もともとソフトウェアを開発するために考案されましたが、技術的要素は含まずにプロジェクト進行を目的としたフレームワークとして位置づけられているのです。そのため、スクラム開発はテスト駆動開発、あるいは継続的インテグレーションといった技法とともに使われることが多くあります。

通常は、3名から9名前後の少人数でチームを組んで行うのが特徴です。スクラム開発では、早い段階にクライアントからフィードバックが得られるというメリットがありますが、ウォーターフォール開発と違って移行の際の習得が容易ではないというデメリットもあります。また、全てのチームメンバーがスクラム開発を適切に理解していないと、プロジェクトで失敗を招くリスクが拭えません。そうならないためにも、スクラム開発に慣れるまでは2スプリント前後の学習期間を確保しておく方が無難といえるでしょう。

さらに、早い時期にフィードバックを得るには、クライアントにも協力してもらう必要があります。フィードバックがないと、スクラム開発をする意味が薄れてしまうので、クライアントから予め協力を得られるように取り付けておくことが大切です。Webサービスなどの分野では、フィードバック用のフォームを作っておくといいでしょう。スクラム開発を行う場合、プロジェクトの期間が長引いてしまう可能性があることも事前に心得ておく必要があります。